2016年12月27日 更新 |
|
「吉原湊(よしわらみなと)」と呼ばれた田子の浦港は、駿河湾の最奥部にあり、富士山麓の南を流れる沼川(ぬまがわ)と潤井川(うるいがわ)の合流点に建設された「掘込式港湾」です。
富士市を中心とする岳南地域は、遠く江戸時代から「駿河半紙」の特産地として名高く、近代になると、製紙・パルプ工業などの軽工業が発達しました。
戦後は食品加工・化学繊維・自動車・電機などの大企業が進出し、加えて関連中小企業の設立や設備投資が相次ぎ、新しい工業地域として脚光を浴びるようになりました。
県は産業基盤整備を重点とした総合開発計画を策定し、この岳南地域に駿河湾臨海工業地帯の拠点とする「工業港」の建設を決定しました。
工事は、昭和33年4月から始まり、昭和36年8月に開港。
その後、昭和39年4月に重要港湾、41年4月には関税法による開港の指定と、名実ともに国際港として順調に発展していき、昭和33年から10年余の歳月と総工費130億円をかけて完成しました。
現在は平成27年の「田子の浦港港湾統計年報」によると、
入港船舶数は2,039隻、取扱貨物量は349万トンとなっています。
今後は平成13年に、港湾計画を策定(改訂)しました。
この計画では物流・生産機能の拡充とともに多様化する港湾への要請にも適切に対応していくため、
を目標に掲げ、船舶の大型化に対応した施設整備を展開していくこととしています。
港湾法によって、港は6種類に分けられています。そのうちのひとつが「重要港湾」で、国際戦略港湾、国際拠点港湾以外の海上輸送網の拠点となる港湾を指します。
静岡県においては、 田子の浦港のほかに、御前崎港が指定されています。残りの5つは次のとおりです。
長期的な観点から港湾の開発・利用・保全の基本を定める計画です。港湾法において、 重要港湾の港湾管理者は、 港湾計画を定めなければならないとされており、 おおむね10年後を目標年次としています。
田子の浦港の計画