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ホーム組織別情報交通基盤部袋井土木事務所太田川ダムダムのはたらき技術レポート

平成23年3月15日 更新
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技術レポート

太田川ダムの建設事業の概要

1.太田川ダムの概要

(2)太田川ダムの代替案の検討

河道改修は完成までに長期の年月と膨大な費用を要するため、当初から計画規模で河道改修を実施するのではなく、段階的に治水安全度を高めていくことが必要である。
 現在、太田川の中上流部の治水安全度は確率1/10程度をほぼ満足しており、下流部においては確率1/10規模の河道改修を鋭意実施中である。
 このような状況から太田川流域において、今後20〜30年で実施可能な治水対策は河道改修と太田川ダムの建設が有利と考えられるが、ダム以外の代替案として、河積を拡大することで太田川ダムの洪水調節量分を受けもたせる河道改修案、太田川ダムのかわりに遊水地を建設する案も考えられるため、以下の3案について検討する。
● 河道改修案(河道改修のみ)
● 遊水地建設案(河道改修+遊水地の建設)
● 太田川ダム建設案(河道改修+太田川ダムの建設)

 

 

a.河道改修案

 

河道改修には堤防嵩上げ方式、河床掘削方式、堤防引堤方式がある。
嵩上げ方式は洪水時の河道水位を上昇させる。よって、支川からの排水を困難にさせ内水被害を増大させるため、ぼう僧川などの低地河川への影響が大きい。また、太田川の場合、資産の集中する中下流部が有堤区間となっているため、異常洪水時に万が一破堤した場合、氾濫流の勢いが嵩上げ前より増し被害が増大する。
次に河床掘削方式も、下流域が堆砂傾向にある太田川の場合、河床掘削の維持管理に毎年継続的に膨大な費用・労力が必要となる。
堤防引堤方式については、引堤による用地取得面積は増すが、前述の2方式に比べ治水上の問題は少ないことから、河道改修案としては引堤案が最も適している。しかし、引堤の必要区間には、日本の大動脈である国道1号・東海道新幹線・東海道本線などが横断しており、これを架け替えることは社会的に大きな影響を及ぼすこととなる。

 

b.遊水地建設案

 

遊水地の建設用地として90haの広大な用地の取得が必要となる。しかし、その建設予定地は地元森町の基幹産業である農業用地にあたり、代替地の確保ができないなど用地確保は非常に困難である。また、遊水地の掘削に伴い地下水位低下によって発生する地下水取水の困難等の様々な問題が懸念される。

遊水地計画図

c.太田川ダム建設案

 

ダム建設に伴う用地、家屋移転が必要となるが、現行計画の河川改修が継続でき、新幹線橋梁架け替えの必要がなく、沿川の宅地・農地取得も少なくてすむ。

また、既得農業用水の取水の安定化が図れる。

 

以上の検討結果を、経済性、事業のメリット・デメリットについて整理し、次表のとおりまとめた。 この結果からも、最適な洪水処理方式は、経済的で社会的影響も比較的小さく、現行計画の河川改修の継続が可能で、早期に治水効果が発現できる河道改修と太田川ダム建設を組み合わせた案である。

 

治水対策の方法の比較(次ページへ)


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