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所長のことば(平成29年12月12日)

静岡県交通基盤部 島田土木事務所長 石垣 俊幸  

先月は、当事務所主催や管内で開催されたイベントの話をしましたが、今月は少し「堅めの仕事」と藤枝市で行った講演について紹介します。

予定の中にカチッと組み込まれる「堅めの仕事」には、「監査」や「災害復旧事業の成功(完了)認定検査」等がありますが、今月上旬にその両方がありました。

監査では、当事務所の工事事故の件数が多いのではないかとの指摘がありました。今年の正月明けから工事中の事故発生が続き、1月に2件、3月に3件、5月に2件ありました。事業量としては他の事務所と比べても多めの当事務所ですが、工事の発注件数(工事をしている数)から考えても多いとのことです。

1件ごとの内容を見ると重大事故には至っていないのですが、小さな事故の積み重ねが大きな事故に繋がることはよくあることなので、ほんのちょっとした不注意による事故でもその内容や背景などあらゆる点から分析して、二度と同じような失敗(事故など)を繰り返さないように事業者、施工者が一体となって取り組む必要があると痛感しています。事故分析(なぜ起こったか)、改善策立案(どうすれば無くなるか)、情報共有(みんな同じ知識、考えを持って)、周知徹底(その対策をみんなが取り組む)を図り、定期安全パトロールの強化や課ごとの講習会開催、抜き打ちパトロールの実施で緊張感を持たせる取組などを行っていきます。監査対象期間内の事故は比較的大きな事故ではなかったことを幸運と考え、大きな事故を絶対起こさない、小さな事故もゼロに近づける努力をしていきます。

 

先月のことになりましたが、11月25日土曜日に藤枝市自治会連合会主催の「安全・安心まちづくりの集い」が生涯学習センターで開催され、私も講演を依頼されたため「風水害と土砂災害」について、最近の気候変動や災害の傾向、国・県や市町が行っている対策などについて約1時間話をしました。

次のような事項を説明して、会場に集まった約300名の自治会役員の方々へお願いをしてまいりました。

①昔に比べて大雨(時間50ミリ程度:バケツをひっくり返す以上の雨)の降る頻度が増加している。

最近の10年間はその前の10年間の1.6倍!

②局地的に降る傾向が強まっている。特に、線状降水帯(帯状に延びた雨雲が停滞して長時間同じ場所で降雨が続く)には注意。

③河川護岸などの整備は進んでいるが、最近も鬼怒川や九州北部災害のように、総雨量で500ミリくらい降ると土砂災害なども起こり、大規模な災害のリスクが高まる。

④本県の河川護岸や砂防ダムなどの施設整備率(説明:計画に対する整備が完了した数)はおおむね50%程度、完了するにはまだまだ時間がかかる。

⑤国や県は河川護岸や砂防ダムなどの施設だけに頼るのではなく、流域全体の総合的な取組(調整池、湛水ポンプ、雨水枡設置など)を展開している。

⑥黒石川・小石川で取り組んでいる浸水軽減対策もその一つ。

⑦施設整備のハード施策を補完するソフト対策として、最大規模の降雨による氾濫浸水想定図の作成公表や土砂災害警戒区域指定に取り組んでいる。

⑧住民のみなさんも住んでいる地域の状況を把握して自助の力(自分自身で災害から家族等を守る)をアップさせて、避難地・避難経路の確認や訓練にしっかり取り組んで欲しい。会場にお越しの自治会役員の方々は地域のリーダーを担っていただきたい。

 

 今月は少しまじめな内容になってしまいましたが、私が島田土木事務所に着任してから県道蔵田島田線の山崩れによる通行止めなど何件かの災害がありました。日常生活に支障をきたす程の大きな災害は幸いにも起きていませんので、今後も起きないことを祈りつつ新年を迎えたいと思います。みなさんも良いお年をお迎えください。

 

今月の「若手のことば」も是非ご覧ください。

http://doboku.pref.shizuoka.jp/desaki2/shimada/wakate_no_kotoba_base.html

              
  

 

 

                        平成29年12月12日

                        島田土木事務所長 石垣 俊幸