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皆さん夏休みは楽しみましたか。当事務所も8月は沢山の催し物があって、「所長のことば」で何を書こうか迷っている内に時間ばかりが過ぎて、自分も夏休みをとったことも重なりホームページにアップするのが遅くなってしまいました。しかも、実は何を書くかまだ決まっていない状況でキーボードを叩いています。
当事務所の一番のイベントである恒例の大井川「川まつり」を、2日(水)にプラザおおるりで開催しました。今回で19回目となりましたが、楽しみにしてくれている方々も年々増えていて、今年は397名のお子さんが参加くださいました。引率してくれた保護者や関係者の方々を入れると500名近くの方が来場されたのではないでしょうか。毎年共催いただいてブースを出してくれている関係機関の皆さまには本当に頭の下がる思いです。盛況ぶりは事務所ホームページに載っていますので、下記のURLをクリックしてご覧ください。
http://doboku.pref.shizuoka.jp/desaki2/shimada/topics/170803kawamatsuri19.pdf
当事務所の川まつりの他にも管内で多くの「まつり」がありました。焼津海上花火大会など各地区で花火大会もたくさんありました。夏に花火大会が多く開催されるのはお盆の時季であり、迎え火や送り火、灯籠流しと同じでご先祖を供養する意味があるそうです。
花火の素となる火薬が日本に伝来したのが、種子島に鉄砲がポルトガルからもたらされた時ですから戦国時代になります。日本人で初めて花火を見たのは、1613年の徳川家康だそうです。(本当でしょうか?)江戸時代に八代将軍徳川吉宗が飢饉や病気の蔓延による死者の慰霊と無病息災を祈って、隅田川で打上げ花火大会を開催したと言われているそうです。
花火大会の他にもいろいろな「火」に関する催し物があり、瀬戸川で「稲葉のとうろん」や川根本町の大井川で「百八たい」などがありました。
「稲葉のとうろん」は、8月のお盆に同地区を流れる瀬戸川の赤坂橋付近の川辺で先祖の霊を鎮め、川の恵みを祈る伝統行事です。原型は江戸時代からあり、数十年前から続く地区の行事でしたが、途絶えていた時期がありました。しかし、地元の有志により数年前に復活し、最近は地区の人だけでなく見物人も多く集まると聞いています。名前の由来は「とうろう」がなまって「とうろん」と呼ばれるようになったと言われているそうです。
川根本町の「百八たい」も下長尾地区に伝わる伝統行事で、江戸時代に発生した鉄砲水の犠牲者を慰霊する儀式として始まったと聞いています。
どちらも夏の川原に灯る送り火は幻想的で、地域の安全や家族の幸せを祈る気持ちがより幻想的な雰囲気を醸し出したことと思います。子供たちも夏のよい思い出として心に残ったのではないでしょうか。
最近の雨の降り方や洪水被害のニュースを聞く度、安全で安心して暮らせる地域づくりをしていかなくてはと思います。そのためには川の治水安全度(氾濫させずに海まで流せること)を高めることが重要ですが、川は昔から地域の伝統文化に根ざした関わりを持っており、先ほどの伝統行事などを通して川に親しみを持ってもらうこと、愛着を持って地域としても自ら守っていくようにすることが大切だと感じます。
平成29年8月31日
島田土木事務所長 石垣 俊幸