• 文字サイズ変更
  • 文字拡大
  • 文字サイズを戻す
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム >島田土木事務所 >所長のことば >県道静岡焼津線の道路崩壊について

ここから本文です。

県道静岡焼津線の道路崩壊について

 
 島田土木事務所長 杉本 則尚  杉本則尚
  • ※土木研究所の研究員との現地調査の様子。向かって右側が筆者。

 

台風26号が接近しました10月15日火曜日の午後9時ごろ、焼津警察署から一本の電話が入りました。県道の路面に異常があると。業者の方に現場に直行していただいたときの写真がこれです。

これを受けまして、通行が危険だと判断し、午後10時15分に全面通行止めにいたしました。

翌朝日が昇って、土木事務所の職員が現場を確認すると約50メートルに渡り、約80cmの道路の沈下が確認されました。まだ、台風の影響で高波が海岸には押し寄せています。

さらに、その日の朝8時30分ごろですが、沈下がさらに進んでいます。

その日の午後2時15分ごろには、沈下が進み、最大で1.5mまでになりました。このまま道路がいつ崩落してもおかしくない大変危険な状況でした。当所職員も沈下している部分にはとても立ち入ることができませんでした。

私も18日金曜日に現場に向かいました。現場を見て愕然としました。これは大変な災害が起きたと。道路が単に沈下したのではなく、道路の山側と海側で大規模な崩壊か地すべりが起きていると直感しました。そして、復旧には莫大な費用と長い期間を要すると考えておりました。

国道150号のバイパスが整備され、この県道の交通量はそれほど多くはないのですが、日常的に使われている利用者がいらっしゃいます。この現場の静岡側にある焼津市小浜地区の住民の方々にとってはまさに生活道路。焼津市方面に行く場合には静岡市を経由すると大変な迂回になります。

その後、県の防災ヘリコプターの上空からの写真が送られてきて、全貌が少しずつわかってきました。道路の山側にも大きなクラック(亀裂)があり、海岸線に近いところでは、コンクリートが割れて滑落しております。

 

これほどの大きな災害となれば、原因究明と復旧工法の検討については、専門家のアドバイスが必要ということになり、18日に国の機関であります独立行政法人土木研究所の研究員の方2名に早速現場調査をお願いしました。

詳細な調査をしなければ確実なことは言えないが、大規模な地すべりが発生しているという見解でした。また、今後の安全対策と原因究明のため、伸縮計やウェブカメラの設置やボーリング調査のアドバイスを受け、それぞれ行いました。現在、ボーリングは5本掘削が完了し、地すべりの観測を継続して行っています。

 

災害が発生して早くも2カ月が経ち、いまだ全面通行止めの状態であります。県道をご利用の皆様方、特に焼津市小浜地区の皆様には多くのご不便、ご迷惑をおかけしていることを大変申し訳なく思っております。

地区の小中学生の通学につきましては、焼津市の全面的なご協力を得まして、タクシーによる送迎を行っていただいているところであり、焼津市の関係者の皆様に大変感謝をしております。

 

現在は、調査結果をもとに対策工法の検討を鋭意行っているところではありますが、何分にも大規模な災害であり、険しい地形や弱い地盤という厳しい条件のため、検討に多くの時間を要しております。

また、一時的な仮道や仮橋等の要望をお聞きしておりますが、この厳しい状況の中では技術的に安全性を確保することが困難であり、ほぼ不可能であると判断しております。

今後も、現場の状況や検討の進捗等につきまして、説明会や当ホームページなどを通じまして、適時適切にご説明をしてまいります。

 

静岡県といたしまして、最新で最高の土木技術を駆使し、また、国、焼津市と連携を密に行いながら、1日でも早い開通に向けて進めてまいる所存です。ご理解、ご協力をいただきますようお願いいたします。

 

 

 

平成25年12月20日              

島田土木事務所長 杉本 則尚