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ホーム >島田土木事務所 >所長のことば >2年間ありがとうございました

ここから本文です。

2年間ありがとうございました

 
 島田土木事務所長 渡邉 良和  
  • ※3/27に開催された国の「社会資本メンテナンス戦略小委員会」の現地視察会で委員に説明する筆者(手前右)

 

皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。

3月になって気温が急に上がり、先日の土・日曜日には、例年に比べて開花の早い桜の下でお花見を楽しんだ皆さまが多いのではないでしょうか。次の土・日曜日にもまだチャンスがありそうです。お楽しみください。

さて、残すところ数日間で平成24年度が終了します。私どもの事務所では、例年、年度末業務で多忙なこの時期に、今年は国の緊急経済対策に伴う発注業務が加わって、関係職員諸氏は異常な状況です。その中には新年度は他の職場に異動する者も多く、皆が体調を崩さないことを祈る毎日です。

そうした中で、私自身もよそに異動することになりました。したがって、このページも今回で終了となります。

そこで、今回は、私の在籍したこの2年間の島田土木事務所を振り返りながら、私が皆さまにお伝えしたかったことをもう一度、かいつまんでお話ししてみたいと思います。

 

この2年間の島田土木事務所
Ⅰ 平成23年度

平成23年3月11日の東日本大震災と、福島第1原発事故の衝撃の真っ只中で始まった年度ですが、陸・海・空の広域交通拠点を結ぶ地域高規格道路「金谷御前崎連絡道路」の一部、国道473号「金谷相良道路Ⅱ」工区(国道1号菊川IC~国道473号倉沢IC間)が新規事業化されるという、明るい話題がありました。

平成24年3月17日に「金谷御前崎連絡道路」菅山インターチェンジの高架化を完成・開通させたほか、国道150号バイパス(焼津市三和~牧之原市細江)や国道362号青部バイパスなどの事業も推進しました。

河川関係では、勝間田川水門の建設を精力的に進めました。

また、この年は台風6号、12号、15号に象徴されるように、近年になく災害が多発し、当事務所の管理する道路や河川でも復旧事業に忙しい日々を送りました。

平成24年2月10日の夜には、島田市川根町笹間下高日向地区の県道藤枝天竜線で斜面崩壊が発生し、軽ワゴン車の乗員1人が崩壊土砂に閉じ込められ、その後、消防署員に助け出されるという出来事がありました。この現場は迅速に応急対策を進めて3月17日には全面通行止めを解除しましたが、本格復旧には平成24年11月まで、周辺斜面の予防的な補強工事の完了には平成25年2月まで、期間を要しました。

また、東日本大震災を受けた対策として緊急輸送路の橋梁耐震対策を前倒しで進めたほか、近年の土砂災害多発を受けた対策として、管内の市町と連絡調整会議を設けて、市町が行う避難勧告・避難指示の支援強化および避難所や避難ルートの検証を行いました。

 

Ⅱ 平成24年度

平成24年4月14日に、待望久しい新東名高速道路(静岡県内162km区間)が開通し、東名の渋滞解消や交通事故激減、大規模地震時などに備えたダブルネットワーク化という直接的な効果をもたらすとともに、本県の内陸部を中心とした地域活性化に効果を及ぼし始めています。私どもは、藤枝岡部ICと島田金谷ICに接続するそれぞれのアクセス道路を、開通に間に合わせて完成させました。

地域高規格道路「金谷御前崎連絡道路」では、その一部となる国道1号島田金谷バイパスの4車線化が新規事業化(国土交通省事業)されたほか、国道473号バイパス「大沢インターチェンジ」の立体交差化を完成させ、東名相良牧之原IC~御前崎港間が信号なしでノンストップ走行できるようになりました。今後は、国と連携して、国道1号大代ICの改良や同IC~新東名島田金谷IC間の4車線化完成を急ぐことになります。

そのほか、大井川を跨ぐ「はばたき橋」の開通に向けて、取付道路予定地内にある物件撤去の行政代執行が行われ、平成25年1月末には完了しました。現在は、平成25年秋までの開通を目標に工事を急いでいます。

この年度の災害は、件数は少なかったものの、県道藤枝黒俣線藤枝市瀬戸ノ谷地内(蔵田地区)で大規模地すべりの全貌が判明し、約2か年の工事期間と20億円近い工事費の計画で対策工事に着手しました。

河川関係では、年度末に勝間田川水門が概成し、供用を開始しました。現在、無線と光ケーブルのダブルネットワークによる遠隔監視・操作関係工事などの完成に向けて、残工事の施工を急いでいます。

 

公共事業を、もっともっと理解していただくために・・・

私がこのページを始めたきっかけは、もともと、私どもが携わる社会資本整備(公共事業)について、もっともっと広く県民の皆様にご理解いただき、今後のあるべき姿を考えていただこうという思いから、当事務所のホームページの改革に着手したことがきっかけでした。

このホームページ改革では、職員の努力で「主要事業のいま」、「観光ルート交通規制・観光情報マップ」、「島田土木おすすめビューポイント」、「今昔資料館」、「景観検討会議」、「よくあるお問合せ(FAQ)」等々、当事務所独自の新たなコンテンツを多く加え、よりわかりやすく、親しみやすいものにするよう努力してきましたが、その改革の早い段階で、私が直接皆さまに情報を発信していくことが何よりも重要ではないかと気がつき、このページを始めたのです。

このページや、ご依頼をいただいたさまざまな講演の場などでは、土木事務所の仕事やわが国の社会資本整備に関する情報をお伝えしながら、いくつかのテーマをもってお話しをしてきたつもりです。それらを以下に抜粋し、羅列してみます。

・わが国では長い間、公共事業がバッシングされ予算が削られ続けてきたが、国の予算は一般会計と特別会計を合わせた総予算が229兆円、そのうち国債の利払いなどが85兆円で全体の37%、年金、医療などの社会保障費が76兆円で33%、公共事業費は6兆2千億円でわずか2.7%しかない(平成24年度当初予算)。施設の維持補修費を始め、必要なものに予算を確実に確保しないと長期的には後悔につながることを、しっかり理解して公共事業費の規模を決めていく必要がある。

・東海地震や南海トラフ地震が危惧される中、地域の建設業者の皆様には、必要な人材や建設機械を常に保有していただく必要があり、そのためにも真に必要な分野を見極めつつ、安定的な仕事量を確保していく必要がある。

・社会資本の整備や管理に関する社会的な“誤解”、すなわち“公共事業=悪”というような社会的な風潮から脱却し、あるべき姿をみんなで真剣に考えていただきたい。

・津波や土砂災害などから身を守るのには、施設整備というハード策では限界がある。命を守るのには、避難というソフト策が最も重要である。

・少子高齢社会がますます進展するわが国では、都市部、地方部のそれぞれの地域で、その地域に応じた活性化策・活力をもって地域を元気にしていく必要がある。地域の賑わいは、少子化の歯止めにもなり得る。

・近年、社会的に目先の損得を重視しすぎるきらいがある。さまざまな施策の展開には、この国のかたち、将来の姿をしっかり捉えたうえで判断していく必要がある。

 

2年間、本当にありがとうございました

今までお伝えした私の思いを、思い切って抜粋すると以上のようになります。

私どもの業務に関連する情報を主体としつつも、できるだけ幅広く話題を提供させていただいたつもりです。このページをご覧になって、少しでもお楽しみいただけたとすれば、幸いです。

皆さまには、ご愛読いただきまして本当にありがとうございました。

4月以降の職場は、直接、多くの県民の皆さまと接することの少ない職場です。次にどのような形で皆さまと再会できるか、今のところ、まったく想像もつきませんが、またお会いできる日を楽しみにしながら筆を置きます。

それでは皆さま、お体を大切に、お元気でお過ごしください。

本当に、ありがとうございました。

 

 

 

平成25年3月28日              

島田土木事務所長 渡邉 良和