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皆さま、あけましておめでとうございます。
今年のお正月は、北日本の豪雪は本当にお気の毒ですが、東海地方では天候に恵まれ、大きな事故・事件もなく穏やかな年明けとなりました。皆さまも、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
さて、昨年末には衆議院総選挙があり、自民党圧勝という結果となりました。課題が山積するこの国にとって、今年はどのような1年になるのでしょうか。
わが国の経済は、バブル経済が破綻した後、20年間にわたり低迷から抜け出せない中、リーマンショックや尖閣諸島問題に端を発した対中国関係悪化の追い打ちにより、極めて厳しい状況が続いています。
そして、この間の経済の低迷と少子高齢化の進展により、今年度当初予算においては歳入面で、国の一般会計90兆円のうち公債(借金)が44兆円を占め、また、現在の国の借金は1,000兆円でGDPの2.3倍、国民1人当たり780万円と、本当に心配な状況になっています。
ちなみに、現在、世界で最も財政が危機的といわれるギリシャでも借金はGDPの1.65倍程度で、わが国のGDP比2.3倍という借金の規模は世界で突出した第1位なのですが、わが国は諸外国と異なり、国債が自国民の貯蓄を原資とする国内の銀行に買われているため、これまでのところ世界からそれほど懸念されてこなかったということです。
また、わが国の今年度当初予算の歳出面では、一般会計、特別会計を合わせた総予算229兆円のうち、国債の利払いなどが85兆円で37%、年金、医療、介護などの社会保障費が76兆円で33%を占めることはこれまでに何度も触れてきましたが、子育て・教育費や将来にわたる利便性の確保・向上につながる社会資本整備費などではなく、赤字国債や社会保障費という、使いきりの用途に予算の多くが費やされているという実態に大きな問題があると言えます。
一方、世界を見ても、ヨーロッパ(EU)ではギリシャを筆頭にイタリアやスペイン、ポルトガルにおける財政破綻の懸念が極めて深刻であるし、米国でも年明けに「財政の崖」を辛うじて先延ばししただけで、将来の不安がほとんど払拭されていないことや、近年世界経済を牽引してきた中国も、ヨーロッパや米国の経済低迷と日中間の関係悪化の影響から元気を失っているところなど、不安がいっぱいという状況です。
このように、日本も世界も元気と自信を失っている中で、昨年の衆議院総選挙では自民党の安倍総裁が、いわゆるアベノミクスとして金融、財政、成長戦略に積極的に取り組むことにより、わが国経済をインフレに誘導し、国の再生を実現すると主張して大勝につなげたことは皆さまご承知のとおりです。
安倍政権は、金融、財政、成長戦略という「3本の矢」に積極的に取り組むとしています。
この3つの取組みのそれぞれは、これまでもわが国の選択肢としてあったのですが、個々のメニューについて、専門家でもその効果と副作用の大小評価は容易ではなく、また、選挙がらみから、メリットの裏でデメリットを被る側の国民の反対を政府・与党、野党がともに恐れ、十分な対策に踏み出せなかったことからここまで来てしまったと言えるでしょう。したがって、今回約束された方策が実際に力強く実行されなければ、過去と同じ道をたどってしまう恐れが十分にあります。
そのような意味から、今夏の参議院選挙の結果は、わが国が新たな道にしっかり踏み出せるかどうかの1つの非常な要素となると言えます。政党・政治家は自分の保身のみに走るのでなく、この国の将来を如何に形づくるべきかをしっかり考え、示していただく必要があります。
また一方で、一人ひとりの国民が、自身にとっての目の前の損得でなく、この国をどうしなければならないのかを真剣に考えて、判断・行動することが最も大切とも言えます。
今年こそ、そのようなあるべき姿に少しでも近づき、この国の将来にわずかでも、はっきりした明かりを感じたいものです。
安倍首相は、3本の矢の内の1本である「積極的な財政出動」の基本として、「国土強靭化計画」を上げています。今年度の大型補正予算を含め、10年間で200兆円を投入して、東北の震災復興や全国の公共施設の防災、老朽化対策を行うという内容です。
これは、国内経済を活性化させるとともに、社会資本を健全化・長寿命化し、大規模地震などの被害も未然に防止または減少させて、国民に安全・安心な暮しを取り戻そうというもので、私どもが管理する道路や橋、河川の水門や堤防などの社会資本も、その対象となります。
私どもは、財源の極めて厳しい中で、真に必要な事業の分野、箇所をしっかり見極めるとともに、県民の皆さまにいつでもその内容を説明できるよう準備をしながら、速やかにその事業効果が発揮できるよう努力をしていかなければならないと、強く認識しています。
私どもの事務所における、今年の主な計画は以下のとおりです。
・勝間田川水門の運用開始 …春頃
・空港アクセス道路「榛原・吉田ICルート」の開通 …春頃
・県道島田吉田線「はばたき橋」の開通 …秋頃
・地域高規格道路「金谷相良Ⅱ工区」の事業本格化 …年明けから
・藤枝市蔵田地区地すべり災害復旧工事着工 …年明けから
それ以外にも、管内各箇所において着々と事業が進み、今まで車がすれ違えなかった道路が広がったり、歩道が整備されたり、河川の堤防・護岸が改修、強化されたりしています。橋の耐震補強や長寿命化、傷んだ舗装の計画的な補修も行われています。目立ちませんが、集落裏の急傾斜地の崩壊から住家を守るための対策も、各地で進められています。
そして、今年はこれらに、上述した国土強靭化計画の事業が加わるというわけです。私どもは、この新たな1年を、これまでどおり危機管理とコンプライアンス遵守を徹底しつつ、①県民目線と透明性・説明責任を強く認識、②心の温かみの上に立ちつつ、効率的でスピード感のある業務遂行、③いつも笑顔を忘れず、チームワークでの取組み の3点を標榜して、県民の皆さまに満足していただける仕事をしていきたいと考えています。
島田土木事務所は、今年も全力で頑張ります。
皆さまのご支援・ご協力をお願いします。
それでは、次回まで、皆さま、お元気でお過ごしください。
平成25年1月7日
島田土木事務所長 渡邉 良和