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 事務所の年度末と、この1年の出来事



 
 

島田土木事務所長 渡邉 良和  

  • ※この写真は、去る3月22日に、社団法人静岡県測量設計業協会中部支部志太榛原地区の6社の皆さんに河川や道路の美化活動を実施していただくに当たって開催した合同調印式の時の様子です。前列右から2番目が筆者です。

 

朝方の冷え込みが続く毎日でしたが、県内の桜も開花し、いよいよ春の到来です。今年度も残すところあと数日となりました。

皆さまお元気でお過ごしでしょうか。

今回は、私どもの事務所内の、年度末の様子と、今年度1年間の主な動きにスポットを当ててみたいと思います。

 

いよいよ年度末!

前回のこのページでお話ししたように、私どもは会計年度で区切られた仕事をしていますので、この時期は、各業務の年度締めの作業で大忙しです。

当事務所発注の工事について見ますと、工事受注者の皆さまと当事務所担当監督員とが力を合わせて年度内完成をさせた完成届書類が、連日、事務処理のために事務所内を列を成して回っています。この書類は、工事に必要な法令関係の手続きや使用材料の品質・寸法の証明、工事の各段階における記録写真、完成構造物に関する受注業者の自主的な品質・寸法の管理記録等々、完成してからでは確認できない部分も含めて設計通りの構造物を完成させたという報告書となるもので、請負業者の皆さまが実に多くの手間を掛け、細心の注意を払って取りまとめてくださる分厚いものです。

このような工事の契約件数は、この1年間に約470件に及びましたが、特に年度末には集中するので、完成届書類の提出を受けて書類や現場の確認・検査を行う検査監は、この時期にはいつにも増して心身ともに疲労困ぱいとなりますし、検査が完了した後に工事の請負費を業者に支払う担当の課も、書類に埋もれて大忙しです。

一方、私どもの実施する事業では、工事だけでなく、工事をする前に必要な現地の測量や調査、設計、および用地・補償関係の調査などの、業者への委託もあります。このような委託関係の契約件数も、この1年間で約340件ありました。これらについても工事と同じように、受託した業者の皆さまから成果品が提出されます。こちらも上述した工事完成時の手続きと同様に処理をされますが、どうしてもこの時期に処理量が多くなってしまいます。この事務処理を行うメンバーも、工事関係とほぼ同じです。

また、上述したような、業者と一緒に成果物を作り上げるという業務以外の、例えば、一般県民の皆さまが、私どもの管理する道路や河川などを法令に基づいて占用したり使用したりする場合の手続きを行う業務もあります。これらは、新規の申請を受けて、審査したうえで許可書を発行したり、許可済みのものについて数年ごとの更新を行ったりする業務で、この1年間に道路関係が約8,600件、河川関係が約4,000件など、その他の海岸や砂防などもすべて合わせると、年間13,000件近くにもなります。したがって、このような業務を担当する職員たちも年間を通じていつも大忙しです。

また、事業に必要な用地の提供を地権者にお願いする担当の課もあります。こちらは、相手のあることですから、職員の努力に成果が必ずしも直結をしない悩ましさがありますが、彼らも年間を通じて大変な中で、着実に成果を上げています。

こうした中、私どもの事務所でも、県の多くの職場がそうであるように概ね2~5年の間に他の職場への異動となります。毎年、3分の1程度の職員が該当になります。異動する職員は、年度末の多忙の中、自分の担当した業務を確実に完結させる作業と併せ、新年度に後任が業務をより円滑に進められるように、必要な処理も完了させなければならないのです。

 

今年度を振り返って

今年度は、昨年3月11日の東日本大震災と福島第1原発事故の衝撃の真っ只中で始まりました。

それを受けて本県では、今年度は、危機管理の更なる向上のため、情報伝達の改善・充実や各種の防災訓練の実施など、ソフト面のさまざまな対策が行われる一方、ハード面でも津波対策水門の整備や橋梁の耐震対策の前倒し実施など、必要な対策が精力的に進められています。

被災された現地にも、当事務所からも職員が交代で滞在支援に出かけました。

また、新東名高速道路の県内区間の開通がこの4月14日と決定され、それに関連したアクセス道路などの整備が進められるとともに、東名や新東名と富士山静岡空港、御前崎港といった、陸・海・空の広域交通ネットワークを結ぶ地域高規格道路「金谷御前崎連絡道路」の整備も着実に進められています。

以下に、今年度の当事務所の主要な動きを振り返って見ます。

  1. 道路関係
    • 平成24年3月17日:地域高規格道路「金谷御前崎連絡道路」の一部である国道473号の、菅山インターチェンジ(牧之原市菅ヶ谷)の高架化が完成し、開通しました。
    • 平成24年3月20日:都市計画道路「榛南幹線」の0.6km区間(吉田町住吉)が完成し、開通しました。
    • 新東名高速道路のインターチェンジ2箇所(藤枝岡部IC、島田金谷IC)にそれぞれ接続するアクセス道路の整備が完了し、新東名の開通を待つばかりとなりました。
    • 橋梁の耐震対策が、当初は国道150号富士見橋など17橋で予定されていましたが、補正予算により前倒しされて、国道150号須々木橋など7橋の対策が追加されました。
    • 地域高規格道路「金谷御前崎連絡道路」の一部となる国道473号「金谷相良道路Ⅱ」工区(国道1号菊川IC~国道473号倉沢IC間、延長3.3km)が、今年度新規事業化され、地元の皆さまと意見交換を行いながら、環境調査や現地測量および調査、道路・橋梁の設計などが進められています。
  2. 河川関係
    • 勝間田川の河口に水門を建設していますが、工事が順調に進み、平成25年3月には完成・運用開始の見込みとなっています。
  3. 災害関係
    • 平成23年は、台風12号、15号の襲来に象徴されるように、近年になく降雨量が多い年で、当事務所の管理する施設も多くの災害を受けました。被災の規模は、国費負担をいただくものだけでも36箇所13億円余となり、当事務所の全体予算約220億円の6%に達しました。
    • 平成24年2月10日の夜、島田市川根町笹間下高日向地区の県道藤枝天竜線で斜面崩壊が発生し、軽ワゴン車が崩壊土砂に閉じ込められました。乗員2人のうちの1人が一時、車内に閉じ込められ、その後、島田市消防署員に助け出されました。県では、この事故を重く受け止め、県内の同様の現場について一斉点検を実施しました。当事務所ではこの現場に対して、安全に最大限の注意を払いつつ迅速に応急対策を進め、3月17日に全面通行止めを解除しました。現在、本格復旧工事を進めています。
    • 東日本大震災の発生や近年の土砂災害の多発を受け、当事務所では管内の市町と連絡調整会議を設けて、有事の際に市町が行う避難勧告や避難指示をより的確なものとするとともに、住民の避難をより安全にすることを目的に、組織の体制や情報伝達態勢の強化、および避難所や避難ルートの検証を実施しました。

以上、私どもの事務所における今年度の主な動きを挙げてみました。

これ以外にも、国道150号バイパス(焼津市三和~牧之原市細江)や国道362号青部バイパスなどの事業の進捗、河川における整備基本方針や整備計画の策定など、各地区においてさまざまな実績が積み上がりました。

 

職員の異動

こうして毎年度、私どもは社会資本の整備、管理を、県民の皆さまに最大限喜んでいただける形で進めていこうと、日々、頑張っています。

そして一方で、この時期には、これまで活躍してくれた多くの職員が他の職場に異動し、あるいは退職していきます。

個々の職場では、短くて1年、長ければ5年程度、同じ釜の飯を食った仲間とのお付き合いです。この中で多くの苦労を重ねつつ、連帯感や多くの感動、満足感を抱きながら、さまざまな業務を共にこなしてきた仲間です。

異動・退職する者と残る者。お互いに感謝の気持ちと敬意を持って、次のステージにおける互いの活躍を祈りつつ、お別れです。

私自身も、130名を数える所内のメンバー個々に対して、この1年間の尽力、活躍に感謝しつつ、新年度が県民の皆さまと私どもの職場にとって、さらに輝かしいものとなるように祈りつつ、今年度のページを閉じたいと思います。

それでは、新年度の島田土木事務所にも是非ご期待ください。またお会いしましょう。

皆さま、お元気でお過ごしください。



                                    平成24年3月29日
                                      島田土木事務所長 渡邉 良和