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ホーム >島田土木事務所 >所長のことば >「国道1号島田金谷バイパス」の4車線化

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「国道1号島田金谷バイパス」の4車線化



 
 

島田土木事務所長 渡邉 良和  

 

冬らしい晴天と寒さが続く毎日ですが、皆さまお元気でお過ごしでしょうか。

年が替わり、当事務所では、今年度の最後の第4四半期をベストな形で締めくくることができるよう、職員は既にトップスピードで活躍中です。

さて、今回は、当事務所の管理する志太・榛原地域にとって、特に大きな意味を持つグッドニュースをお伝えします。

 

「国道1号島田金谷バイパス」の4車線化に向けた大きな1歩

この1月11日に国土交通省は、国道1号島田金谷バイパスについて、国事業としての平成24年度4車線化事業着手に向けて、新規事業採択時評価の手続きに着手したと公表しました。今後の手続きとしては、地方負担の負担者である都道府県等へ意見聴取が行われ、都道府県等の他に学識経験者等の第三者から構成される委員会等の意見も聴き、評価結果をとりまとめる予定とされ、既に1月13日には、静岡県への意見照会文書が届いています。

ところで、この手続き着手は、当地域にとってどのような意味を持つのでしょうか。

 

「国道1号島田金谷バイパス」の4車線化の意味

このバイパスの4車線化には、2つの大きな意味があります。

1つ目は、交通渋滞解消の期待です。

国道1号島田金谷バイパスは1日当たりの交通量は3~4万台を数え、残念ながら、県内の国道1号のいくつかのバイパスと同様に、慢性的に渋滞が発生するトップグループに入っています。

朝夕のテレビやラジオの交通情報でも必ず“渋滞中”と紹介される、この渋滞のもっとも大きな原因は、大井川を渡る新大井川橋、次に、3つ並んでいる牧の原第1~第3トンネルがあることです。長い橋やトンネルでは、経済的な理由から、車が走る“車道”の外側にある“路肩”の幅が一般道路部に比べて狭く造られているのが普通で、そのために、運転者が心理的に影響を受けて無意識のうちにスピードを落としてしまうということが既にわかっています。高速道路の渋滞原因調査の中で研究され、現在ではかなり解明が進んでいます。なお、車道と路肩の区別を説明しますと、皆さまがいつも車で走っている部分が車道、その左側の白線の外側部分が路肩で、路肩の幅は狭いところで0.25~0.5メートル、通常、1.0メートル程度はあります。車道も路肩も舗装がされています。

そして、それらの原因に加えて、現在の2車線道路では長い橋やトンネルがなくても渋滞してしまうほど多くの車が通行しているというのが、このバイパスがトップグループに入ってしまうほど渋滞が著しい理由といえます。

4車線化が完成すれば、長い橋やトンネルがあっても右側車線が追い越しに使えることで十分に円滑な交通の流れになると期待できます。そして、現在、静岡方面のみへの通行に限定されている菊川インターチェンジの出入りを、浜松方面へも通行できるように改良する工事を、地域のご要望に応えて、この4車線化とあわせて行う計画とも伺っており、両方の意味から、これまで不便を被ってきた地域の皆さまの利便性が大きく向上します。また、広域の移動に利用される幹線の国道1号ですから、その効果が県内・県外の広範囲に及ぶことは確実です。

次に、2つ目の理由です。

静岡県では、今年の夏前に開通が見込まれる新東名高速道路の島田金谷インターチェンジから国道1号島田金谷バイパス、富士山静岡空港、東名相良牧之原インターチェンジを経て、御前崎港に至る約30キロメートルのルートを、地域高規格道路「金谷御前崎連絡道路」の名称で整備を急いでいます。このルートは、陸の幹線道路と海路、空路を連結するものですから、まさに“陸海空の広域交通ネットワークを形成”し、物流・人流の促進や、観光も含めた産業の振興の面から、本県にとってその整備は非常に大きな期待が持てるものです。

具体の整備としては、これまでに、地域の皆さまにはおなじみの国道473号や国道150号のバイパスとして整備が行われ、現在、ルートがつながっていない区間は、県事業区間の国道473号バイパス金谷相良道路Ⅱ工区3.3キロメートルのみとなっています。そして、この工区は今年度から整備事業に着手しています。

こうしたことから、数年先には、地域高規格道路「金谷御前崎連絡道路」が一連でつながることが現実のものとなってきていますが、そこで、ルートの一部となる国道1号島田金谷バイパスの慢性的な渋滞が、あらためて大きな問題となるのです。ちなみに、地域高規格道路というのは、他の道路との接続を信号交差点ではなくインターチェンジにすることによって、交通の流れをより円滑にした道路のことで、交通機能面からは高速道路と一般の国道との間に位置する、規格の高い道路のことです。

このような地域高規格道路の機能を発揮させる意味からも、今回の、国道1号島田金谷バイパス4車線化に向けた新規事業採択時評価手続き着手のニュースが、本当に意義深いもので、本県にとってこの上ない朗報というわけです。

 

地域高規格道路「金谷御前崎連絡道路」の整備

上述したとおり、県ではこれまで、地域高規格道路「金谷御前崎連絡道路」を国道473号バイパスや国道150号のバイパスとして整備してきました。そして、別図のように、既に、御前崎港から空港入り口の倉沢インターチェンジまでの間が直結され、現在は、暫定的に信号交差点として通行していただいている菅山インターチェンジと大沢インターチェンジの、立体交差化に向けた工事を進め、あわせて、新たに、国道473号バイパス金谷相良道路Ⅱ工区として倉沢インターチェンジ~国道1号菊川インターチェンジ間3.3キロメートルの整備に着手しています。

別図「金谷御前崎連絡道」

特に、金谷相良道路Ⅱ工区の整備には、貴重な用地のご提供をお願いする皆さまをはじめ、地域の皆さまのご理解、ご協力を欠くことができませんので、事業に着手する前から地域の皆さまとの意見交換を重ねています。

地域の皆さまには、それぞれ、用地のご提供や物件移転などの補償の問題、および新たな道路の建設に伴う環境変化の問題など、さまざまなご心配がおありと思います。私どもは、この事業を担当する事務所として、皆さまの疑問やご意見をいただきながら、それらに丁寧にお答えするべく、現在、必要な測量、調査、設計を進めているところです。

「金谷御前崎連絡道路」の整備の効果としては、既につながった区間の中で、東名相良牧之原インターチェンジから御前崎港への所要時間が、整備前の35分から23分へ12分の短縮となるなど、非常に大きな効果が得られています。また、これに加えて、菅山、大沢の両インターチェンジの立体化が今年の春と夏にそれぞれ完成すれば、さらに3~5分程度時間が短縮すると期待されます。

そして、数年先に倉沢インターチェンジ~国道1号菊川インターチェンジ間がつながり、同時に、または、その後速やかに国道1号島田金谷バイパスの4車線化が実現すれば、まさに陸海空の広域交通ネットワークの形成が強固なものとなり、その直接・間接の効果は、計り知れないものとなります。

静岡県の発展、志太・榛原及び、中・東遠地域の活性化に向けて、当道路の整備に是非ご期待をいただきたいと思います。

 

国道1号島田金谷バイパスの平成24年度4車線化事業着手に向けて

ただし、今回のニュースは、あくまでも新規事業採択時評価の手続きに着手したというものであり、平成24年度事業着手の実現に向けてはいくつものハードルがあるということを、しっかりと認識しなければなりません。

そして、そのハードルを確実に越えるためには、地域に住むわれわれの当事業に対する大きな期待を、外に向けて精力的に発信しつつ、当地域を所管する国土交通省中部地方整備局の関係の皆さまと、われわれ地域が強固に連携して、ことに当たる必要があります。

皆さまにおかれましても、是非、それぞれのお立場の中でご尽力をいただけましたら幸いです。

 

それでは、次回まで、皆さまお元気でお過ごしください。



                                    平成24年1月16日
                                       島田土木事務所長 渡邉 良和