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ホーム >島田土木事務所 >所長のことば >今年の台風・豪雨の被害(前編)

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今年の台風・豪雨の被害



   
島田土木事務所長 渡邉 良和    

今年の台風・豪雨の被害
 台風15号の強風とともにようやく猛暑が去り、先週から、日中の日差しはともかく、気候はめっきり秋めいてきました。皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。
 今年は、7月19日~7月20日の台風6号、8月21日~8月22日の台風12号、そして9月20日~21日の台風15号と、本県にとって台風の当たり年になってしまいました。
 最近の新聞に、1958年の狩野川台風や翌年の伊勢湾台風の9月26日が、一般に台風の特異日とされると書かれていましたが、私の体験からは、本県では過去に、10月19日辺りに何度か大きな台風災害に見舞われた印象が強くあります。今年は台風15号で災害が終わると安心することなく、最後まで油断禁物を心がけたいと思います。
 さて、上述した3つの台風と8月21日~8月22日の豪雨により、当事務所の管理する土木施設は多くの災害を受け、被害規模は道路災害が11箇所で被害総額3億4千8百万円、河川災害が24箇所で13億3千万円、砂防(河川)災害が1件で1千万円、合計36件16億8千8百万円(いずれの数値も9月末現在の概算)に達しています。
 これらの被災箇所については、国に費用の3分の2の負担をいただく公共土木施設災害復旧事業により施設の復旧をしていきますが、その採択をいただくためには、国土交通省と財務省による現地査定を受けるのが原則となっています。
 当事務所では、台風6号による被災については、去る9月14日~16日に査定を受けて採択をいただいたところです。採択箇所の中には、その後の台風により被害が増大したものがあり、それらはこの後、改めて査定を受ける必要がありますが、それ以外の箇所については、近日中に復旧工事に着手していきます。また、台風12号と台風15号による災害については、今後11月中旬までに順次査定を受け、速やかな復旧に努めてまいります。

現地査定中の心温まる出来事
 ところで、この査定を受けた箇所の中に、川根本町千頭で大井川の石張り護岸が流されてしまった現場があります。この護岸は、大井川の水が千頭の集落に流れ込むことを防ぐとともに、川岸を走る大井川鉄道井川線の線路を守るという役割を持つ重要なものです。
 川根地区には、大井川鉄道の線路が大井川の川岸を走る区間が多くあります。大井川鉄道は2つの区間に分けられ、下流側の金谷~千頭間は1925年(大正14年)に設立された大井川鉄道株式会社が、当時、大井川に数多く作られた発電所の建設資材の運搬と、上流部から搬出される木材の運搬の需要を見込み、昭和6年に全線開通させたもので、上流側の千頭~井川間は、井川ダムの建設のために昭和29年に中部電力が敷設・開通させた鉄道で、大井川鉄道株式会社が昭和34年から、その運行業務を受託しているものだそうです。
 当箇所の現地査定は、その井川線の線路敷に立ち入らせていただき、運行車両の通過時には退避をしながら実施されましたが、退避中に通過した客車の運転手さんは、我々に頭を下げながら通って行かれました。運行の支障にならないようにと細心の注意をしながらお邪魔をしていた我々も、もちろん頭を下げましたが、心が温かくなりました。運転手さん、お気遣い本当にありがとうございました。
 当事務所ではこれまでも、少子高齢社会の中で、高齢化・人口減少が目立つ地域のひとつである川根地区の、“地域の足”として、年々悪化する経営環境に立ち向かい、日々努力されている大井川鉄道に対して、敬意と感謝の気持ちを抱きつつ、ささやかではありますが、我々の立場からできる限りの支援に努めてきたつもりですが、地域の安心・安全と活性化に向けて、今後とも、広範な役割を担う公共施設の維持管理に万全を尽くしていきたいと思います。
 次回は、台風15号の強風に因んだお話をします。
 それでは、お元気でお過ごしください。


                                       平成23年9月30日
                                            島田土木事務所長 渡邉 良和