平成23年3月15日 更新 |
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平成22年1月21日 |
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平成21年12月10日付け公開質問書について、下記のとおり回答いたします。 | ||
記 | ||
1.ダム堤体の変位について |
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Q: | 試験湛水開始直後の貯水位が一定の期間(平成20年11月中旬から21年2月上旬)、堤体が一貫して上流側に傾いているのはなぜですか。 | |
A: | これまでの太田川ダムの堤体の変位観測結果から、変位の要因としては、1.貯水池の水圧が堤体に作用することによる変位、2.堤体の下流面と上流面の温度差による変位(上下流面のうち温まりやすい面が膨張しやすい)が考えられ、変位計の観測結果は主にこれら二つの要因によるものと考えています。 太田川ダムは、下流面が南東に向いているため、下流面の温度は外気温の影響だけではなく日射の影響を強く受ける特性を有しています。一方、上流面は北西を向いているため、日射の影響は少なく、貯水位が低い時には外気温の影響を受け、貯水位が高くなるほど貯水池の水温の影響が強くなると考えられます。なお、水温は気温に比べて年間の変動幅が小さいことが知られています。 これらの定性的な特徴から、試験湛水開始の10月から2月までの間は、貯水位が低いため、水圧の作用(要因1)による下流側への変位が小さく、一方、晴天が続いたため日射による温度差(要因2)による上流側への変位が大きく、結果として上流側への変位が観測され、厳冬期に近付くほど上流側への変位が大きくなったと考えています。 また、別添の太田川ダム建設事務所ホームページに掲載している観測結果にあるとおり、平成21年9月以降は水位が一定のもとで外気温の低下とともに下流側への変位に転じており、このことからもダム堤体の変位の要因として、上記二点によることは妥当と考えております。 |
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2. 間隙水圧と揚圧力の観測について | ||
Q: | ダム事務所は10月5日までは毎日計測していた間隙水圧の測定を省き始めましたが、このような観測体制の縮小はやめ、ダムの安定性にかかわる間隙水圧と揚圧力の連続測定を直ちに復活させるべきではありませんか。 | |
A: | 間隙水圧および揚圧力の観測については、平成20年10月から平成21年6月の試験湛水期間および平成21年6月から10月までの洪水期においては、ダムの安全性を確認するための試験期間とそれに続く洪水の発生が予測される期間であるため、毎日の観測を実施しましたが、観測の結果、ダムの安全性に影響を及ぼすような異常等は確認されませんでした。このため、基準等に基づき観測を毎日1回から週1回の頻度に変更して実施しています。 | |
3.堤体下流左岸フーチングの孔内傾斜計について | ||
Q: | 堤体下流左岸の岩盤の地中変位を監視するためにEL260mのフーチングに孔内傾斜計が設置されていますが、不動岩盤に達する十分な深さの計測管を設置して、計測を行うべきではないでしょうか。 | |
A: | フーチング内の孔内傾斜計の設置目的は、ご質問にあるような岩盤の地中変位を監視するためのものではなく、ひび割れおよびコンクリート着岩面にせん断力等が作用しているか確認するものです。したがって、ご質問のような深い岩盤内まで孔内傾斜計による観測を行う必要はないと考えています。 なお、孔内傾斜計の観測結果では、ひび割れおよびコンクリート着岩面でのせん断力等の作用は確認されていません。 また、ご質問のダムサイト左岸下流法面の変位については、孔内傾斜計などにより観測・監視を継続していますが、ご指摘のような深い岩盤内での変位など法面の変状等を示す観測結果は得られていません。 |
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4.緊急時における体制について | ||
Q: | 緊急時には、住民にどのようにして情報が届けられますか。 また、住民がダムや太田川の流況に異常を発見した場合、夜間における住民からの通報の受け入れ体制は、どのようになっていますか。 |
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A: | 洪水や地震などの緊急時における住民の皆様への情報提供については、警報車による巡視や市町の同報無線等を通じて行う体制を整備しています。また、夜間、休日での太田川ダムまたは太田川に関する連絡については、袋井土木事務所および太田川ダム建設事務所において緊急連絡先を案内し、速やかに情報を収集する体制を整備しております。 今後も、関係法令等に基づき太田川ダムの安全管理に努めていきますので、本県の河川行政に格別の御理解と御協力をいただきますようお願い申し上げます。 |
静岡県袋井土木事務所
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