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更新日:平成23年3月15日
巴川は県都静岡市の北方に位置する文殊岳を源に静岡市の東部から支川の長尾川、塩田川などと合流し、清水市の中心市街地を流れ清水港に注ぐ二級河川です。また、かつて巴川に注いでいた後久川は大谷川と結び巴川の放水路として、河口の駿河湾から合流点の古庄地先にむけて現在建設を進めています。
流域の面積は約105km2、本川の流路延長は約18kmで静岡・清水平野を縫うように流れています。流路勾配は、1/750~1/50,000で水はけが悪く昔から幾度となく浸水被害を発生させています。
静岡県付近は梅雨前線の影響で6月27日頃から雨の日が多く、静岡市では6月28日、7月2日には1日に50mm以上の雨が降り、更に4日から5日には100mmを超す大雨が降った。第一図は、豪雨前の7日9時の地上天気図である。東シナ海を北東進した台風第8号が、7日になると対馬海峡を通り朝鮮半島南部へ進んだ。また、梅雨前線は日本海から北陸を通り愛知県から遠州灘沖をへて更に東南東へ延びていた。
上空に運ばれた大量の水蒸気
前線の東進を阻止した冷気の流入
地上天気図には現れない湿舌
この豪雨は、日雨量508mmの記録的な降雨となり、静岡・清水両市では各所で、崖崩れ、道路の決壊、中小河川の氾濫などが続発し、家屋の倒壊、家財道具の流失、死者が出るなど痛ましい災害となりました。
特に27名の犠牲者のうち4名は巴川の洪水による方々でした。
その被災状況を、当時の写真、新聞記事や関係者の手記などで振り返り、痛ましい災害を再び記憶にとどめ、治水への教訓にしたいと思います。