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ホーム > 組織別情報 > 交通基盤部 > 島田土木事務所 > 所長のことば>水防訓練(演習)に出席して

平成23年6月21日 更新
静岡県島田土木事務所


 
         ◆◆◆ 水防訓練(演習)に出席して ◆◆◆


             島田土木事務所長 渡邉 良和 


◆ 梅雨時期に備える水防訓練(演習)
 今年は、例年よりも早く梅雨入りし、近年多かった“空梅雨”でなく、しっかり雨が降り続いています。

 こうした中、当所管内でも、各市において例年通り「水防訓練(演習)」が行われ、5月22日の藤枝市、6月12日の島田市、6月19日の焼津市の各会場にそれぞれ来賓としてお招きをいただき、都合により、島田市と焼津市に出席をいたしました。

◆ 洪水対策におけるハード対策の課題
 東日本大震災の状況を見るとき、我々がこれまで行ってきた、想定する東海地震規模を中心にとらえた対策から、新たな想定に基づく対策への計画見直しとその実行が急がれるところですが、一方で、日常的に起こりうる洪水に対する備えも欠くことはできません。

 洪水に対しては、古くから河川改修という形で対策が行われてきていますが、中小河川においてはまだまだ不十分な箇所も多いのが現状です。また、改修計画は雨量や水位を想定して進めるものであり、必ず想定外の事態は起こりうると考えなければなりません。さらに、近年、多発しているゲリラ豪雨への対応は、河川改修という手法では対応が難しい面もあります。

◆ ソフト対策としての“サイポスレーダー”と“避難体制整備”
 そのため、改修というハード対策だけでなくソフト面の対策も重要であり、県では従来から、雨量や河川水位などの情報を一般の人たちにインターネットを通じて提供する“サイポスレーダー”というサイトを運用していますが、この6月1日からは、県内26河川115地点のリアルタイム映像が見られるようにしたほか、事前に登録しておけば、雨量や水位の情報、その他の防災情報がパソコンや携帯に自動配信されるように、システムを高度化しました。是非ご利用いただきたいと思います。

 また、各市町においても、洪水や土石流の危険度を判断して「避難勧告を出す」などの体制整備を、順次進めていただいています。

◆ もうひとつのソフト対策 “水防活動” の意義
 そして、ソフト面のもう1つの大きな柱が水防活動です。水防活動は、洪水被害を未然に防止し、あるいは最小限にとどめること、すなわち、住民の生命・財産を保全するという極めて大きな役割を担っています。

 訓練(演習)では、「土のう作り」から始まり、「月の輪」、「木流し」、「釜段」、「シート張り」、「積み土のう」など(※注1)、先人から受け継がれた数々の伝統工法が実戦的に訓練されました。作業をされた消防団員や水防団員などのきびきびとした行動は、団員に信頼と感謝を寄せる住民の期待に十分応えるものと感じました。心から敬意を表します。

◆ “自分の身は自分で守る”ことのお願い
 ただ、実際の水防活動は、豪雨の中や高水位の激流を目の前にしてという、極めて厳しい条件下で行われることになります。あくまでも自身の生命の安全を確保しつつ、迅速・確実な活動ができるよう、常に心がけていただきたいと思います。

 一方、一般住民の皆様におかれましては、自分の身は自分で守るとの意識を強くされ、マスコミや市町からの情報を常に把握し、県のサイポスレーダー情報なども活用しながら、有事の際には迅速・的確な行動を取っていただきますようお願いします。




                               
平成23年6月21日
                                 
島田土木事務所長 渡邉 良和


 (※注1)【水防工法の用語説明】
 水防工法は、川の変化に応じて速やかに現地に適合した工法を選び、緊急に対策を講じるという、いわば迅速かつ臨機応変な対応を要求される伝統的な技術です。
 これらの工法の大半は、突然の緊急事態にも対応可能なように比較的入手の容易な資材や道具を用いて、人力により施工可能な工法となっています。


工法名  工法の概要
月の輪 河川の出水中に堤防裏側斜面部から漏水して水が吹き出した場合、その漏水口が拡大しないよう堤防裏側に土のうを積んで水溜を造り、川の水位と水溜の水位差を小さくして漏水の圧力を弱めることで堤防の決壊を防ぐ工法です。
釜段 洪水時に堤防裏小段や堤内地に噴出する漏水に対して、川と釜段工に溜められた水との水圧を均衡に保つことにより、被害の拡大を防ぐ工法です。
木流し 河川のカーブなど流水が堤防に強く当たる箇所(水衝部)などで、枝の付いた木や竹をロープで結わえて固定し堤防から流すことにより、流水の勢いを緩和し堤防の表面が崩れるのを防ぐ工法です。
シート張り 合成樹脂シートに竹やパイプをロープで固定し、川表が崩れ始めた場合は川表を当該シートで直接保護し、川裏で漏水が発生した場合は川表の吸込み口を当該シートで塞いで透水を防ぎます。
積み土のう 洪水によって堤防が沈下した場合や堤防が低い場所で、水が堤防等を超す(越水する)恐れがある場合に、土のうを堤防に積んで越水を防ぎす。
改良型
積み土のう
前述の積土のうの弱点である水密性の不足(土のうの隙間から水が漏れやすいこと)を補うため、積み土のうを防水シートで覆ったものです。 
 
◆以下に水防訓練の様子と、水防工法の写真をご紹介します!


◆焼津市の水防演習です。全員集合した様子は壮観でした。



◆「月の輪」を作っています。堤防斜面から漏水した水を土のうで囲んで溜めることにより、漏水の増加を防止します。


◆「釜段」の完成状況です。中央の窪みに地下から漏水してきた水を溜めることにより、漏水の増加を防止します。


◆「木流し」の完成状況です。木の枝に流水を当てることにより洪水の勢いを減じ、堤防の損傷を防ぎます。


◆「積み土のう」です。堤防を越えてくる水をこれで止めます。


◆「改良型積み土のう」の完成状況です。前述の積み土のうの改良版で、堤防を越えてくる水の遮水効果が更に高まります。


◆中洲に取り残された人たちを想定したヘリコプターによる救助訓練です。


◆僭越ながら、私から訓練の講評を述べさせていただきました。


 お問合せ先

  静岡県交通基盤部 島田土木事務所
  〒427-0019 島田市道悦5丁目7番1号
  電話番号:0547-37-5272
   FAX:0547-37-6183
  E-mail:shimada-kikaku@pref.shizuoka.lg.jp

   

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