• 携帯電話向けページ
  • Foreign language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 組織別情報 > 交通基盤部 > 島田土木事務所 >曳家見学会

平成23年7月27日 更新
静岡県島田土木事務所
 
住んだまま家が動く!曳家(ひきや)工法の現場をご紹介します! 

島田土木事務所では、職員の実務に役立つ知見を広げることを目的に、公共事業の建物補償における移転工法のひとつである「曳家(ひきや)工法」の現場見学会に参加しました。
当日(7月13日)行なわれた移転の様子を皆さまにご紹介します。

>>> 曳家工法の概要 

曳家工法は建物移転工法のひとつで、現在の建物をそのままの姿で移転先まで移動させる工法です。一般的には建物をレールの上に載せて移転先まで平面的に移動させるケースが多いですが、垂直に移動させる場合もあります。
見学した曳家工法の特徴は次のとおりです。

 ① 慣れ親しんだ建物をそのまま移転先で利用できる
 ② 移転費用が比較的安価で工期も短い
 ③ 工事中も建物に住んだまま移転ができるので引越しが不要
 ④ 資源のムダを抑えられ環境にやさしい

今回ご紹介する曳家工法は、建物の基礎のみ移転先に新たに造り直し、土台から上の部分をそのまま移転先まで平面的に移動させる工法で、SRM(セーフティー・ローラー・ムーブ)工法と呼ばれるものです。
一般的なSRM工法は概ね次のような手順で進みます。

① 移転先に建物の基礎を新たに造る
② 既存の建物の基礎と土台をつなげるアンカーボルトの固定を外す
③ 油圧で土台ごと建物を持ち上げ、建物を支える支持用レールを段階的にジャッキアップしながら土台の下に縦横に渡して固定する
④ 支持用レールを油圧でジャッキアップし、その下に移転先へ導く移動用レールを敷く
⑤ 支持用レールと移動用レールの間にローラー(レール上の移動と共に建物の若干の回転も可能にするローラー)を配置する
⑥ 支持用レールにロープをつなげ、ウィンチ(巻上げ機)でロープを引いて建物を移動する(必要な場合は回転も)
⑦ 油圧ジャッキを使って②~⑤の逆手順を踏み、移転先の基礎に建物を降ろして固定する

>>> 曳家の対象

今回ご紹介する建物は、榛原郡吉田町の浜田土地区画整理事業に伴い、換地先に曳家工法で移転を行う二階建て住居です。

>>> 状況写真

以下に曳家の状況写真をご紹介します。


      
北側から撮影した移動前の従前地の状況です。 これから南側の移転先地に建物を移動します。


      
縦横に組んだ支持用レールの上に建物を載せ、下の移動用レール上をローラーで滑らせて建物を移動します。


      
支持用レールを縦横に組んで建物の土台を支えている様子がわかります。一番下の移動用レールの上に載って支持用レールを支えているのがローラーです。


      
既設の基礎から土台ごと建物を持ち上げる初期の段階では、油圧ジャッキが入らない場所があるので、写真右のエアクッションを使って建物を持ち上げます。


      
中央に写っているローラーには、移動用レールを滑らせるローラーの上に支持用レールを滑らせるローラーが付いています。これによって、建物を回転させ向きを変えることができます。その手前左側が油圧ジャッキで、レールを組む時には油圧で足が伸びて建物を持ち上げます。


      
移転先地に新たに造られた建物基礎です。その上に移動用レールが渡されています。手前に張られているのは牽引用のロープです。


      
移転先地から見た北側にある移設前の建物の様子です。手前に写っているのが建物を牽引するウィンチ(巻上げ機)です。意外と小さなウィンチですがこれで充分引っ張れます。


      
  ウィンチを後方のパワーショベルにワイヤーで固定して反力を取っています。


      
工事中でも住んだまま生活できるように、仮設の階段を玄関に付けています。家の中の風呂や台所などの水周りも問題なく使えているそうです。


      
   牽引用ロープが支持用レールに取り付けられ、いよいよ牽引開始です。


      
                    牽引スタート!


      
 牽引開始3分後の状況です。上の写真から若干移動している状況がわかるでしょうか?


      
            移転先地にだんだん近づいてきました。


      
                    あともう少し・・・


      
                     牽引完了!


      
土地区画整理事業では主流の曳家工法も、その他一般の公共事業では滅多に見られないため、職員もたいへん参考になりました。


      
北側の従前地から撮影した移動後の状況です。約20mの距離を30分弱で移動しました。この後、建物の向きを変えてから基礎に据え付ける作業は翌日以降に進められました。


>>> 取組みの効果

<参加者の感想>
○ 滅多に見られない工法を実際に見聞できたので、今後の補償内容の説明時に、より具体的で詳しい説明ができる。
○ 補償技術の知見が広がり、今後の業務に役立った。
○ 住んだままでの移転が可能で、工期も新築と比較して短い(今回のケースでは基礎着工から営繕工事が全て完了するまで3 ヶ月弱)ため、物理的要件が整えば、住人の方への負担が少ないお勧めの工法であると感じた。

当所では今後も職員の技能向上を図る取組みを行っていきます




 お問合せ先

  静岡県交通基盤部 島田土木事務所
  〒427-0019 島田市道悦5丁目7番1号
  電話番号:0547-37-5272
   FAX:0547-37-6183
  E-mail:shimada-kikaku@pref.shizuoka.lg.jp

   

ここから本文です。